PayPayは2025年6月30日、バーチャルVisaカード「PayPay残高カード」の提供対象を大幅に広げ、本人確認(eKYC)を済ませたすべてのユーザーが即時発行できるようにした。これまでは段階的に拡大してきたサービスだが、今回の措置によりPayPayアプリ利用者なら誰でも最短30秒でカードを手にできる。
このカードは申し込み完了と同時にアプリ内で発行され、国内オンラインショップのうちVisaクレジットカードが使えるサイトであればPayPay導入の有無にかかわらず決済できる。利用額は「PayPay残高」または「PayPayポイント」からリアルタイムで差し引かれるため、残高管理がシンプルだ。さらに、決済分はPayPayの常設特典「PayPayステップ」のカウント対象となり、ポイント還元も受けられる。これにより、PayPay非対応のECサイトでも普段と同じポイント獲得ルートを維持したまま買い物を楽しめる。
PayPay残高カードは審査不要・年会費無料。クレジットカードを持てない中高生や、使い過ぎを心配するユーザーにも優しい設計で、残高を超える決済はできない仕組みだ。2025年5月に始まったGoogle Pay連携を活用すれば、Chromeでのショッピング時にカード番号や有効期限が自動入力され、決済フローが一段とスムーズになる。
カード情報はアプリ上で確認できるが、顔認証やパスコードなど端末側の認証設定が未完了の場合は閲覧できない。また、海外サイトでは利用できず、一部の国内Visa加盟店でも対象外となる場合がある。オートチャージや1日・1か月の利用上限設定、利用直後のプッシュ通知など、PayPayアプリが備える各種機能を組み合わせれば、残高不足や不正利用のリスクも最小限に抑えられる。
PayPay残高カードは、オンライン専用プリペイドとしての手軽さとPayPay独自のポイント還元を両立し、キャッシュレス決済の選択肢をさらに広げる存在になりそうだ。「PayPayが使えないから別サービスを―」という場面でも、これ一枚でPayPay残高を使ったお得な支払いが完結する。